試合後「反日」行動 未熟さ露呈
【北京=伊藤正】七日のサッカー・アジア杯「日中決戦」は、六万の中国人ファンの大声援と日本チームへのブーイングを跳ね返し、日本が制した。威信をかけた中国当局の万全の警備とメディアを通じた呼びかけが効いた形で、試合中には大きな混乱はなかったが、試合後、会場の工人体育場周辺では、中国人サポーター数千人が「反日」を叫んで警備陣と衝突、八日未明まで騒ぎが続いた。今大会で露骨に表れた反日感情が、今後さらに拡大、尾を引くことが懸念される。
中国政府は、一次リーグから準決勝までの五試合で、日本の選手やサポーターに向けられた威圧的な行動や「君が代」吹奏へのブーイングなどが決勝戦で再現することを強く警戒していた。そのいずれも、国際試合のホスト国としてあってはならないことだからだ。
とりわけ中国当局が懸念していたのは、二〇〇八年北京五輪を控えていることと無縁ではない。アジア杯開会式で、中国人サポーターが中国サッカー協会幹部に浴びせたブーイングをアジアサッカー連盟事務総長が誤解、五輪開催に疑問を提起したことも、当局を神経質にしていた。
当局にすれば「日中決戦」は最悪のシナリオだったかもしれない。当局の命令のままに国民は動かず、国民の声に当局が耳を傾けるよう指導部から指示されている時代なのだ。
中国外務省は従来、一部の反日グループの「日の丸」焼却などの行動にも、日本側にも原因があるなどと甘い態度を取ってきたが、今回のサポーターの行為についても、遺憾とする一方で、一部日本のメディアの報道を批判した。
スポーツ交流に大警備陣を配備する異常事態の中で、試合自体は大きな混乱なく終わったものの、中国の敗戦に収まらないサポーターらは、不満の矛先を日本に向けた。その背景には、何事にも政治を絡め、日本批判をする中国当局の姿勢もあるのではないか。アジア杯に表れた問題は、日中関係だけでなく、中国人の資質にも疑問を投げかけた。(産経新聞)
用不着看懂,就这回事。 |